2023年11月08日 家族葬について纏め
コロナ禍以来増えた家族葬ですが、その意義や内容を理解しないでいると葬儀費用が余計にかかったりすることがあります。
ここでは家族葬でできること、またその意義を説いていきます。
そもそもの由来
家族葬とは、その名の通り家族と近しい親族のみによる葬儀の総称です。
規模的には密葬に近いものとなります。密葬との違いは、密葬は葬儀後に一般の方を迎えるお別れ会などを行う点が大きな違いとなります。密葬との違いについて詳しくは→
時代の変化による葬儀に対するニーズの変化
昭和・平成頃は葬儀といえば通夜・告別式を行ういわゆる一般葬が普通でした。
しかし平均寿命が延びたことで故人様の世間との関りが薄くなったことで迎える方の数が減ったことから、一般葬では式場や設えなどが大き過ぎるようになってきたこと、同様に参列対象となる方も高齢化が進み参列が難しくなるケース見られゆようになったこと、そうした理由から近しい親族のみで故人を送る葬儀サービス/形態として一般葬の規模を小さくしたものとして家族葬となりました。
更にコロナ禍で葬儀に呼べなくなったことも相まって、家族葬が葬儀のスタンダードになりつつあります。
家族葬のはじまり
これは前述した通り、一般葬の規模を縮小したものとなり通夜・告別式を行います。
従来の葬儀ホールは、一般葬対応の数十人から百人を超える規模のものが主流でしたが当然使用料も高く、家族と近しい親族だけで行うには広すぎで使用料も無駄に高いだけのものとなっていました。
そこで数名から20名前後までを対象とした小さく使用料もリーズナブルな家族葬用の葬儀ホールができるようになりました。
祭壇など設えも一般葬と比べればやや小さめで少なめ、供花なども少ないことからこうした小規模のホールの方が葬儀サービスとして適していました。こうして家族葬のかたちが少しづつ出来てきました。
通夜無しについて
通夜・告別式の流れで行われてきた葬儀ですが、家族葬となったことで本来告別式に参列する方のみで行うことから、通夜を省く一日葬というかたちが主流となってきました。また、故人様の極親しい友人など親族以外の方でも告別式に参列可能ですので、敢えて二日葬にする必要もなくなりました。
一日葬とすることでご家族の負担や費用を大きく減らせることも、近年の葬儀ニーズに合ってきたということでしょう。
無宗教葬
現代の日本では宗教への信仰心が薄れたり、信仰が希薄な人々が増えています。そのため、無宗教葬の需要も増加しています。無宗教葬は、宗教的な要素を排除し、故人や家族の信仰に関係なく行われます。通常の仏教式葬儀と同様の流れで進行しますが、宗教的な儀式や戒名などは省かれます。これにより、費用が削減されることがあります。
日本の歴史的な背景として、古くから神道が存在し、一時期は神社とお寺を兼ねた場所もありました。しかし、明治政府の政令により神道と仏教は分離されました。基本的に神道が国教とされましたが、仏教も浸透してしまっているという矛盾が生まれ、信仰対象に対する視点も変化しました。成仏という概念と神棚を飾る風習は、信仰とは少し異なるものといえます。
お寺に支払う戒名や檀家になる際の費用は高額で、近年の宗教離れから全体的に価格は下がっていますが、費用負担が発生することや、お墓の承継者がいなくなり墓じまいや離檀を余儀なくされるケースが増えたことも、無宗教葬を選択する理由の一つでしょう。葬儀の進行自体は通常の仏式葬儀とほぼ同じですが、宗教に関連する要素は省かれます。会場装飾においても宗教的なものではなく、都市部では花を活用した装飾が行われることがあります。こうした点から、無宗教葬は通常の家族葬や一日葬と同程度の費用で行うことができるでしょう。ただし、葬儀社によって異なるため、事前に相談や見積もりを受けることがおすすめです。無宗教葬/自由葬について詳しくは→
火葬式
こちらは告別式も行わず棺へのお花入れなど1時間程度のお別れを行うだけのもので、場合により焼香台を用意しご焼香をしますが従来の葬儀とは言い難いかたちのものです。
告別式すら行わないこの形式は人により理解を得られないこともあります。家族内はもちろんですが、親族などにも予め理解を得ておくことが肝要です。
参列人数は10名以内を目安に考えるのが良いでしょう、10名を超える場合は宗教問わず告別式を行う方が適しています。
お花入れなどの儀は家族葬ホール内や、火葬場にお別れをするための部屋が用意されている場合はそちらで行うこともあります。祭壇費用などがかかりませんので、一日葬よりも大幅に費用を下げることが可能です。簡易ながらお別れもできるので比較的ニーズのある葬儀形式のようです。
直葬
こちらは火葬式で行うお別れも行わず、ご安置されているところから火葬場へ行き火葬のみ行うものとなります。
葬儀社によりご安置を葬儀社の安置室にした場合、その葬儀社の配慮により短時間ですがお花入れや副葬品を棺に入れながらお別れができる場合もあります。
費用は家族葬という枠のなかでは最も安く、諸手続きなど込みで10数万円程度となるケースが多いようです。
家族葬のメリットとデメリット
メリットとしてはご家族の負担が小さくなることです。
参列された方への応接などを悲しみの中で行う負担を軽減することができます。
もちろん費用も小さくなりますので経済的な負担も小さくて済みます。一日葬の場合は更に費用負担が減りますし、参列される方も一日だけの参列で済みますので参列される方への配慮のあるものともなります。
デメリットは基本親族のみで行うことから、故人様の親しかったご友人などまで配慮が行き届かないことがあります。
親族以外の方から問い合わせがあった場合は事情を説明し理解を得るようにしましょう。
家族葬についてまとめてみましたが如何でしょう。今後更に一般葬ではなく家族葬が増えると考えられます。
基本は一般葬と変わりありませんが、葬儀規模が小さい事やそれによる喪主様の意向が違うことがあります。
特に注意が必要なのは密葬とは違うということでしょうか。それぞれに喪主様・ご家族の意向によるものです、それに沿わないことはマナー違反と言えますので注意しましょう。