2023年01月18日 近年増えている「直葬」とは
家族葬といってもその内容により葬儀費用に大きな差がでることは他でも説明しました。
その家族葬の中でも一番費用のかからない『直葬』について。
葬儀をしない家族葬である直葬
「葬儀をしない」というのは通夜・告別式を行わないのでそう書きましたが、火葬も葬儀の一部であるというのが本来の定義であるので定義的には葬儀をしないという事ではないのです。しかしながら昔は土葬が多かったことや現在でも条例により土葬が可能な地域があるためか、その定義を概念として知っている方の方が少ないことから一般向けに解りやすく書くと「葬儀をしない」となります。
葬儀社により「火葬式」と呼ぶ場合もありますが、告別式はしないが面会室などで1時間程度とって読経やお別れの儀を行う、または火葬炉の前で読経をしていただくプラン(斎場/火葬場によります)を用意してある弊社では「火葬式」と「直葬」を分けて共に家族葬のプランとして提示しています。
弊社の「火葬式」はご要望などにより宗教者の読経や焼香また少し時間をかけて最後のお別れをするもので、設えなども変わってくるのでこの解説には含みません。
最小限の家族葬、お通夜と告別式の役割
法律上いわゆる葬儀/家族葬・通夜若しくは告別式を行わないといけないということはありません。埋葬(土葬)と火葬は必ずしなければならないとは定められています。
本来、お通夜とは遺族や近親者など故人と深いかかわりあった人が集まり、最後に別れを惜しみ故人の例を慰めるためのものでした。それが時代とともに変遷し、一般会葬者も昼間に行われる告別式より通夜に参列することが多くなりました。
告別式は宗教者による読経などによるお送りや、参列の方との最後のお別れをするものです。近年は参列者が少なく特に近親者のみでとなった場合や菩提寺もなく仏教との関わりのないご家庭では読経でのお送りといったことに意義を感じず、より小規模なご葬儀を希望されるご家族が増えているのかもしれません。
そこで式は省いても火葬は行わなければならない、その最小限の葬儀とそれに必要なモノとサービスを提供するのが「直葬」です。
直葬を検討する際に気を付けなければいけないのは菩提寺がありそのお墓に入る場合、菩提寺に納骨を拒否される場合があります。菩提寺があるご家族の方は菩提寺に相談されてから直葬にするか、読経の場を設け「火葬式」または告別式を行うか決めた方が良いでしょう。
直葬が選ばれる理由
おおまかにまとめると
- ご高齢で知人などが少ない、参列される方が少ない(ご家族のみなど)
- 費用をかけたくない
- 費用に関連しますが仏教離れ
といったことが挙げられます。
平均寿命が伸び、ずっと働いてきた方でも退職してからの年数が長くなり近しい方と疎遠になり、世俗との交わりも減ればご親族以外の参列が減るのも道理と言えます。
またコロナ禍により直葬せざるを得ないご家庭と、逆にそのことににより葬儀を行わずに火葬だけで済ませられることが広まったこともあるでしょう。
直葬の流れ
- お迎え(病院などへお迎えし安置場所へ搬送します)
- ご安置(保冷を行います)
- 葬儀社とのお打合せ
- 納棺(ここでご遺族の方には最後のお別れをしていただきます。お花や副葬品をいれることも可能です)
- 出棺(最後のお別れをして棺のふたを閉じ斎場/火葬場への搬送)
- 火葬
- 収骨(収骨後散会となります)
ご安置場所がご自宅の場合はドライアイスで、弊社の家族葬ホールご利用の際は備え付けの安置施設にご安置します。
直葬を選ぶ際の注意点
先に書いていますが菩提寺のあるご家庭は、納骨まで考慮し菩提寺への相談をしておきましょう。
周囲の理解。
家族葬が多くなった今でもご葬儀は当たり前と考える方は多いようです、親族や知人などの理解を得ておくのが良いでしょう。
ご家族以外の参列が見込まれる場合は、事情により告別式はできなくとも読経やお別れの場を設けられる「火葬式」も選択肢として考慮しておくのが良いでしょう。
直葬は喪主様とそのご家族への負担が一番かからない、特にお墓を持っていないご家庭にはその先のお墓での出費も想定できますのでとても意義のある家族葬のスタイルなのです。
ご葬儀がないからといってもすぐに火葬できない。
法律で死後24時間は火葬ができないと定められています。よって必然24時間のご安置場所を決めなければなりません。
直葬を選んだ際のメリット
- 葬儀費用が小さくて済む
- 香典が不要で必然香典返しも不要
- 参列者への対応がない
- 喪主を立てる必要がない(葬儀社との打ち合わせなど取り仕切る中心となる方は必要です)
といった経済的な負担とご葬家の心身の負担が減ることが挙げられます。
直葬を選んだ際のデメリット
- 親族や近しい人との間に確執が生じる可能性がある(なので事前によく相談しておくことが重要なのです)
- ご供養に不十分さを感じ、篤いお送りできなかっとの後悔するかもしれない
- 事前の説明・相談が必要
- 参列希望者からの反感を招く可能性がある(故人様の旧知など、説明が行き渡らなかった場合生じやすい)
- (先に書いてますが)菩提寺に納骨できない可能性が生じる
これらはいわゆるお葬式をしていれば生じないことです、親族の多さや故人様のお付き合いの状況などを事前に把握しておくことも重要ですね。
直葬の費用相場
直葬費用の全国平均はおよそ19万円前後のようです。
費用の幅は8万~20万程度、8万というのは火葬場費用考えたら極端ですね、ただ葬儀社により事前相談などで割引が利いたりするのでそのうえで火葬費用の低い火葬場での直葬なら有り得なくはない金額です。
上が20万程度で平均値が19万ですから概ね19万前後で収まればと考えておくのが良さそうです。
費用の内訳は葬儀社により異なりますが、概ねお迎え・出棺の搬送やご安置(時間/日数により変動)に棺や骨壺に死に装束、花束に炉前飾り、また行政手続き代行に斎場/火葬場へ支払う火葬費用などとなります。
細かいところでは死に化粧(湯灌)がオプションであったり、様々ですのでよく確認しておきましょう。
火葬費用は住民価格で利用可能な斎場/火葬場を選択したうえでのもので、火葬場により無料から1万円前後と幅があります。
火葬までに必要な日数
火葬場の混雑状況によりますが、法定の24時間以内に諸手続きや納棺を行いこれで1日、翌日火葬~収骨をして1日が最短となるので都合2日は最低でもかかります。
弔電など
いただいても告別式など表す機会はありませんが、ありがたく頂いておきましょう。
尤も、訃報がそこまで広く伝わるのであれば参列希望の方もいらっしゃると推察します。そういった事が想定される場合は一日葬なども選択肢に入れておくことをお奨めします。
戒名を貰いたい場合
葬儀での読経の有無とは別儀ですので、お寺さんに頼んでいただくのが良いでしょう。知り合いのお寺さんなどが無い場合でも、当社でご紹介いたします(これはご葬儀を行う場合でも同様にご紹介いたします)。
最後に
ご葬儀を普通に行えば、家族葬でも通夜振る舞いに精進落としといったお食事関係に香典返しに会葬礼状などが基本プランとは別にかかってきます。これらは費用もそうですがどういったものを出すかなど頭を悩ますものでもあります。
費用以外にもこうした煩わしさも大幅に減らせる家族葬プランの「直葬」、デメリットもありますのでよく検討してから選択しましょう。